@article{oai:ir.kagoshima-u.ac.jp:00012407, author = {桜井, 芳生}, journal = {鹿児島大学法文学部紀要人文学科論集, Cultural science reports of Kagoshima University}, month = {2016-10-31}, note = {情報化社会といわれつつある今日において,情報処理程度の高いいわば「高`情報階級」と,そうでない「低情報階級」との,階級分化の問題は,大きな社会問題であるといえるだろう。 現在ならびに近未来において,情報的階級分化が存在するのか,階級分化が進行するのか,については,まず第一に,「実証的」問題である。この問題意識に立脚した,実証的調査が,今後盛んになされることを期待する。 インターネットは情報に関する人々の落差を縮める,と安易に想定される場合が,多い。しかし,これは,検討されるべき問題であって,いまだ,確実な知見ではない。 本稿では,一つの思考実験として,現代・近未来においても,情報をめぐる階級分化は存在する,少なくとも,消滅しつつあると言えているわけではない,との方向で,議論を進めてみる。そして,どのような仮定のもとで,情報階級の存立をシミュレートできるかを探求してみる。 これまた-つの思考実験として,初期状態において各主体(本稿では,ゲーム論を援用するので,以下プレイヤーと呼ぶ)が「平等」であると仮定して,そして「利害関係」からのみ,「情報階級の分化」が生じうるかを,検討してみる。 この点に関してまず,ゲーム論におけるESS(進化的に安定な戦略)の議論を援用し,以上の仮定のもとでも「情報階級の分化」は生起する,ということをしめす。 次に,モデルをより現実に近づけて,では現実にはどのようにして各プレイヤーは各「階級」へと「落ち着くのか」,を考察する。これにおいては,いくつかの方途を典型的に想定しうる。そして,階級の世襲制と,誤認された世襲が,ある程度の機能を持つことを指摘する。しかし両者は,ゲームが変化する際には,それを追尾する性能がない。 最後に,ブルデューのモデルを大改造した「選抜なしの,ハビトゥスばらけ相続」モデルを提示し,このモデルが,情報階級の分化帰属過程において一定程度のよい性能を示すことを主張する。}, pages = {1--20}, title = {情報階級の「合理的分化」モデル ー「選抜なしの,ハビトゥスばらけ相続」 モデル提示とあわせて-}, volume = {47}, year = {} }