@article{oai:ir.kagoshima-u.ac.jp:00013499, author = {山田, 誠}, journal = {経済学論集, Journal of economics and sociology, Kagoshima University}, month = {Mar}, note = {2006年7月22・23日に鹿児島県北部域を豪雨が襲った。 各地で発生した氾濫洪水のうち、川内川の鶴田ダムより下流地域の大洪水はとりわけ被害が甚大であった。さつま町、薩摩川内市の被災住民たちは、誤ったダム操作が大洪水の主原因だと決めつける。それに対して国の河川管理者たちは、ダムの能力をフルに発揮させた的確な災害対応だったとの説明を繰り返す。膠着した事態を打開するために、国は学識経験者を加えた「検討会」を設置した。この「検討会」は公共哲学から見れば、官製の公共圏と見なせる組織である。  本稿では公共性研究に登場する分析ツールを援用し、設置された「検討会」による公共的課題の解決メカニズムを解き明かす。公共哲学にあって心の働きをシステム的にとらえる山脇正義論は、「謝罪―赦し」プロセスが協調的な間柄への移行に不可欠の要件だとする。しかるに、川内川の被災住民と河川管理者の間にそのプロセスは見いだせない。それでも、「検討会」は協調的な態度がしだいに顕わになり、それに照応して実質的な協働のシステムに近づいていく。この運営が築かれていくうえで、学識経験者の役割は大きい。専門合理的な見方に固執せず被災者に寄り添う心= 「同情」に傾く一人の河川工学者、および双方が協調的な間柄に切り替わるきっかけとなる言動を発し続ける続ける気短な学識経験者に光を当てて、彼らが演じた役割を詳しく吟味する。}, pages = {57--79}, title = {平成18年川内川大洪水と官製の公共圏 : 住民対話の災害復旧・復興事業を導く異例な「検討会」}, volume = {88}, year = {2017} }