@article{oai:ir.kagoshima-u.ac.jp:00014360, author = {千代田, 夏夫}, journal = {鹿児島大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学編, Bulletin of the Faculty of Education, Kagoshima University. Cultural and social science}, month = {Mar}, note = {Fスコット・フィッツジェラルド(1896-1940)の最大長編にして最高傑作との評価もしばしばなされるTender Is the Night(1934)は少女期の近親相姦体験によってschizophrenia(統合失調症)を病むこととなったニコルとその夫の精神科医ディックの物語である。ニコルの回復やディックの凋落に関してはその理由や程度など種々の論考がなされてきたが、近親相姦による統合失調症罹患という前提が疑義に付されることはなかった。本稿はフィッツジェラルド作品をアメリカン・ゴシックの系譜に置く試みの一環として、ニコルを精神疾患に苦しむ人間としてではなく生来のモンスターとして捉えなおす論考である。作中に散見されるジェンダー転覆の収斂先としてのモンスターニコル像を追いながら、その「男を喰らう」像がアメリカのフロンティア開拓の動線と重なるさまを検証し、expatriatesすなわちヨーロッパのアメリカ人という登場人物らの属性をもってアメリカ建国の物語がパロディとして示されているという読みを呈示する。本稿においてゴシックを論ずる際の準拠枠はイヴ・K・セジウィックに始まるGothic-Surfaceとも呼ぶべき一群の研究群であり、そこにおける表層/深層の二分法の脱構築は、フロンティアの表層性と可動性、そしてそこに直結するニコルの不断の更新性を主張する際の理論的根拠となるものである。}, pages = {157--168}, title = {Tender Is the Night 試論 : モンスターとしてのニコルとアメリカ表象}, volume = {68}, year = {2017} }