@article{oai:ir.kagoshima-u.ac.jp:00015315, author = {国村, 真希 and Kunimura, M. and 冨山, 清升 and Tomiyama, K. and 今村, 留美子 and Imamura, R. and 河野, 尚美 and Kawano, N.}, journal = {Nature of Kagoshima}, month = {May}, note = {鹿児島県喜入町の愛宕川河口の干潟には,メヒルギKandelia candel やハマボウHibiscus hamaboからなるマングローブ林が広がっているためフトヘナタリC.rhizophorum A. Adams, 1855 やコゲツノブエClypeomorus coralium (Kiener, 1834),ヒメカノコガイC.oualaniensis (Lesson, 1831) といったような他の一般の海岸にはあまり見られない巻き貝類が生息している.この干潟の上部には海岸棲のシバ類であるナガミノオニシバZoysia sinica var.nipponicaやハマサジLimonium tetragonum (Thunb.) A. A.Bullock が生育している一帯があり,そこではオカミミガイ科に属するキヌカツギハマシイノミガイMelampus (Micromelampus) sincaporensic Pfeiffer,1855 と,カワザンショウ科の数種が同所的に生息している.キヌカツギハマシイノミガイは三河湾以南の内湾や河口汽水域干潟のヨシ原等にすむ雌雄同体の巻き貝であり,カワザンショウ科は汽水産で高潮帯の草間岩れきに生息する雌雄異体の巻き貝のグループである.キヌカツギハマシイノミガイは研究例が少なく,特に生態は明らかにされていない.本研究ではキヌカツギハマシイノミガイを中心として,殻高サイズ分布の季節変動を明らかにすると同時に鹿児島湾内における生息状況を調査することにより生活史を解明する事を目的とした. 【キヌカツギハマシイノミガイとカワザンショウ科の2 グループの生活史】愛宕川河口の支流にある干潟の上部で毎月1回大潮または中潮の日の干潮時に行った.キヌカツギハマシイノミガイは20 cm × 20 cm のコドラートをランダムに20 箇所以上取り,出現個体数を記録し,カワザンショウ科についてはランダムに100 個体以上採取したあと実体顕微鏡を用いて同定した.また種別に殻高を0.1 mm 単位で測定した. 【鹿児島湾におけるキヌカツギハマシイノミガイの分布状況調査】2003 年4 月から大潮の日の干潮時に一回の調査につき6, 7 時間かけて行った.鹿児島湾内に流れ込む河川の河口干潟に行き,キヌカツギハマシイノミガイの生息状況を調べた. キヌカツギハマシイノミガイは幼貝の定着が11 月に起こり,次の年の6 月ごろまでに8 mm の成貝の集団に加入すると思われる.幼貝のグループは4 mm 前後–7 mm 前後に変化していることから,1 年で3 mm 程度成長すると考えられる.また,11 mm を越える個体が存在しないことから,11 mm 程度の大きさになると殻の生長が止まるか死亡する個体が多くなると思われる. カワザンショウガイ科の種は主にクリイロカワザンショウAngustassiminea castanea castanea (Westerlund, 1883) とツブカワザンショウAssiminea (Assiminea) estuarine Habe, 1946 が多く,サツマクリイロカワザンショウAngustassiminea castanea satumana (Habe, 1942)とカワザンショウガイAssiminea luteajapaonicav. Martens, 1877 はわずかしか採取できなかったため,今回の調査対象にはしなかった.クリイロカワザンショウは幼貝の加入時期が10 月であることが確認された. キヌカツギハマシイノミガイの生息状況は,45地点中,4 地点でしか生息を確認することができなかった.この4 地点の共通点は,海岸棲植物であるナガミノオニシバが生育しているという点であった.過去の記録と比較すると生息地は明らかに減少していた.}, pages = {411--422}, title = {マングローブ干潟におけるキヌカツギハマシイノミガイMelampus (Micromelampus) sincaporensic Pfeiffer, 1855 とカワザンショウガイ科数種の間での生活史比較}, volume = {43}, year = {2017} }