@article{oai:ir.kagoshima-u.ac.jp:00015316, author = {染川, さおり and Somekawa, S. and 冨山, 清升 and Tomiyama, K.}, journal = {Nature of Kagoshima}, month = {May}, note = {鹿児島大学理学部前にある林園の池は,地下水からのくみあげ水が溜まっているために,温度がほぼ1 年中一定であるが,冬季の水温は10℃以下になる.池には,外来種である淡水性腹足類貝類であるサカマキガイとインドヒラマキガイが同所的に生育し,1 年を通して観察できる.この2 種の貝の生活史について調査した. サカマキガイ(physa acuta)は,サカマキガイ科の貝で淡水産であり,ヨーロッパからの外来種である.生命力が強く,全国から報告があり,分布が拡大傾向にあるといわれる.また,環境の変化に強いことに加え,鋭い歯をもち,主に雑食性であるが,他種軟体動物を摂食することもあるため,同棲在来種を駆遂してしまうとの報告もある.インドヒラマキガイ(Indoplanorbis exustus)はヒラマキガイ科の貝で淡水産であり,東南アジアからの外来種である.また,本種は有肺類に属し雌雌雄同体である.本種は,寒さに弱く繁殖力は強い方ではなく寿命は1 年とされている.主に室内の水槽では生育するが,日本においては野外では越冬し得ないとされている.九州からの報告では,最低水温が15 度以上の場所では生育するという報告がある. 本種の生活史調査は,月別の定期調査法を用いた.なお,定期調査は,2003 年1 月~ 12 月に行った.水槽内の表面に浮いている枯葉の裏に付着しているサカマキガイ,インドヒラマキガイ2 種を約50 個体ピンセットで採集して実験室に持ち帰り,2 種の個体をそれぞれ,ノギスと顕微鏡を用いて,0.1 mm 単位まで測定し,記録した.その記録をもとに,2 種の殻幅サイズの頻度分布と季 節変動をグラフで示した. サカマキガイは,過去の研究結果において,産卵の最盛期は夏季で,繁殖力が強く,ほぼ冬季を除いて1 年中産卵し,寿命は1年とされている.鹿児島大学林園の池に生育するサカマキガイは,本研究の結果から,産卵の最盛期は夏季で,冬季を除いて1 年中産卵していること,寿命は約1年ということがわかった.インドヒラマキガイは,過去の研究結果において,室内の水槽では生育するものの,一般に野外では越冬し得ないが,低温の適応性から将来的には野外で越冬する可能性があり,外来種として注意が必要とされていた.鹿児島大学林園の池に生育するインドヒラマキガイは,本研究において,冬を除き1 年中産卵しており,産卵の最盛期は夏季であることがわかった.さらに,越冬し複数年に渡って,生きている個体も存在しているということが明らかになった.従って,過去の研究例と比較すると,インドヒラマキガイは九州では,15 度以上の暖かいところでしか生育してないという報告があったが,鹿児島では,低温に適応し,越冬できる個体が出現しているということが判った.今後,この種の分布拡大に関しては,注意が必要だろう.}, pages = {423--428}, title = {鹿児島大学理学部林園水槽内における外来種淡水性巻き貝のサカマキガイ(Physa acuta)とインドヒラマキガイ(Indopranorbis exustus)の生活史}, volume = {43}, year = {2017} }