@article{oai:ir.kagoshima-u.ac.jp:00015317, author = {田口, 晃平 and Taguchi, K. and 冨山, 清升 and Tomiyama, K.}, journal = {Nature of Kagoshima}, month = {May}, note = {南九州地方に位置する鹿児島県は,年間を通し,日本列島の中でも気候が温暖である.また,数多くの自然にも恵まれ,生物多様性も豊かな地域である.その中で陸産貝類は移動範囲が狭く,その地域の生物多様性を測る指標ともなっている. 鹿児島県では,薩摩半島では陸産貝類の調査が比較的多く行われているが,大隅半島では調査があまり進められていない状況である.そこで,本研究は大隅半島の中でも,研究報告の少ない鹿児島県と宮崎県との県境に焦点を当て,新たな研究報告を加えることを目的とした. 今回は,鹿児島県曽於市で5 地点,宮崎県都城市で5 地点の計10 地点において陸産貝類の分布調査を行った.また,分布調査を行うと共に,変形シンプソンの多様度指数を利用した調査地点毎の多様度指数,及び野村・シンプソン指数を利用した調査地点間での類似度を算出した.類似度については,クラスター分析を利用しデンドログラムを作成した. 10 地点での陸産貝類の分布調査の結果,9 科23 属26 種,計174 個体の陸産貝類を採集した.26 種の中で,最も多くの地点で見られたのは6地点で採集されたタカチホマイマイ,ミジンヤマタニシ,ヤマクルマガイであった.個体数から見ると,ヒダリマキゴマガイが31 個体と最も多く採集され,次いでタカチホマイマイが19 個体と多かった.地点毎に見てみると,稲妻森林公園で14 種と最も多くの種数が採集され,次いで悠久の森が13 種と多かった. 今回の調査で,多くの個体数が採集されたヒダリマキゴマガイ及びタカチホマイマイについては,鹿児島県全体で広く分布していると言えるだろう.1 地点で1 個体のみ採集できたシリブトゴマガイについては,大隅地方北部での記録は初めてとなる.調査地点を増やしていけば,霧島地方や宮崎県方面で採集できるのではないかと考えられる.個体数,種数共に多く採集できた稲妻森林公園,悠久の森については,キセルガイ科が多く採集できたからだと考えられる.その他の要因としては,どちらの環境も自然が多く残っており,光も程よく差し込んでいたことが挙げられる. 今回の調査は,県境における陸産貝類の分布状況を示すことであったが,調査地点を曽於市と都城市と限定していたために,全ての分布状況が明らかにはなっていない.今後は,他の県境でも調査を行い,レッドデータブックや今回の調査と比較していくことが必要になってくるであろう.}, pages = {429--438}, title = {鹿児島県と宮崎県の県境における陸産貝類の分布}, volume = {43}, year = {2017} }