@article{oai:ir.kagoshima-u.ac.jp:00015361, author = {中島, 貴幸 and Nakashima, T. and 片野田, 裕亮 and Katanoda, Y. and 小麦崎, 彰 and Komugizaki, A. and 轟木, 直人 and Todoroki, N. and 冨山, 清升 and Tomiyama, K.}, journal = {Nature of Kagoshima}, month = {Jun}, note = {フトヘナタリCerithidea rhizophorarum (A. Adams, 1855) は,東北地方以南,西太平洋各地に分布するフトヘナタリ科に属する雌雄異体の巻貝であり,アシ原やマングローブ林の干潟泥上に生息している.鹿児島市喜入町を流れる愛宕川の河口干潟にはメヒルギKandelia candel (L) Druce やハマボウHibiscus hmabo Sieb. et Zucc. からなるマングローブ林が広がっており,周辺の干潟泥上にはフトヘナタリが生息している.また,鹿児島市谷山を流れる永田川の河口域は,喜入の環境とは異なり,中礫の転石河岸となっており,植生はなく,コンクリート護岸で囲まれているが,河岸上にはフトヘナタリが生息している.本研究では,この異なる環境において,フトヘナタリのサイズ頻度分布の季節的変化や生息密度を調査して生態学的比較を行うとともに,喜入ではフトヘナタリとウミニナの種間関係についても調査した. まず,2006 年2 月~ 2007 年1 月の期間に毎月1 回,大潮から中潮の日の干潮時に,各調査地において,フトヘナタリをランダムに100 個体以上採取し,殻幅を記録した.その結果,喜入調査地では,2 mm 前後の稚貝が9 月頃に出現することから,この時期に新規加入が起こっていることがわかった.また9 月に新規加入した個体は,冬にかけて3–6 mm に成長し,春から初夏にかけて10mm 前後に成長することがわかった.谷山調査地でも,喜入調査地と同様の結果が得られ,この2つの地域のフトヘナタリの繁殖時期,新規加入時期,成長パターンはほぼ同じであると考えられる. 生息密度調査は2006 年12 月に行った.各調査地において,50 × 50 cm 区画をランダムに20区画用意し,区画内のフトヘナタリの出現個体数を記録した.その結果,谷山調査地よりも喜入調査地のほうが平均密度が高いという結果が得られた.この密度効果が各調査地において個体成長に影響を与えているものと考えられる. フトヘナタリとウミニナの種間関係調査は,2006 年2 月~ 2007 年1 月の期間に毎月1 回行った.喜入調査地において50 × 50 cm 区画をランダムに10 区画用意し,区画内のフトヘナタリとウミニナの個体数を記録し,それをもとにω 指数から同所的生息の程度を求めた.その結果,フトヘナタリとウミニナは排他的な分布ではないことがわかり,この2 種は,餌の種類や餌のサイズを異にすることにより,同所的に生息しているものと考えられる.}, pages = {181--187}, title = {フトヘナタリCerithidea rhizophorarum の生態学的研究 : 異なる環境下における同種の個体群間比較とω 指数に基づく種間関係の分析}, volume = {44}, year = {2018} }