@article{oai:ir.kagoshima-u.ac.jp:00015362, author = {片野田, 裕亮 and Katanoda, Y. and 中島, 貴幸 and Nakashima, T. and 小麦崎, 彰 and Komugizaki, A. and 轟木, 直人 and Todoroki, N. and 冨山, 清升 and Tomiyama, K.}, journal = {Nature of Kagoshima}, month = {Jun}, note = {ヘナタリCerithdea cingulata (Gmelin, 1790) は,潮間帯や内湾の干潟などの汽水域に生息する巻貝である.本研究では,ヘナタリのサイズ頻度分布の季節変化を調査し,生活史を明らかにすることを目的とした.また,同所に生息するウミニナ,カワアイとの種間関係の調査及び,3 種の個体密度の調査を行なった.ヘナタリの殻は高い円錐形をしており,殻高は2–3 cm.殻口が大きく外側に広がり,前端は水管溝をこえて伸びるのが特徴である.また,ある程度殻が成長すると,殻口が肥厚反転して,本種独特の殻口形態となる.調査は鹿児島県鹿児島市喜入町を流れる愛宕川(23°23′N,130°33′E)の河口干潟で行なった.調査地は,マングローブ林の植生がないところから愛宕川の下流に向かいそれぞれstation E,station Fを約20 m の間隔を空けて設置した.2006 年1–12月の期間に毎月1 回,大潮または中潮の日の干潮時に調査区内の個体採集を行った.各station E とstation F に3 つ設置した50 × 50 cm のコドラート内の砂泥を約2 cm の深さまで掘り,掘りあげた砂泥を1.5 mm のふるいで洗い流し,残ったものをサンプルとして研究室に持ち帰った.その後,各コドラートに含まれるヘナタリ,ウミニナ,カワアイを肉眼で分類し,種ごとに出現個体数を記録した.また,ヘナタリについては殻幅を,ノギスを用いて0.1 mm 単位まで計測して記録し,肥厚個体と非肥厚個体の区別も記録した.サイズ頻度分布の季節変化の結果から,各station において9–10 月に2 mm未満の個体の新規加入がみられた.また,各station とも2–7 月に7.0 mm 未満の稚貝グループにサイズピークがあるが,夏季を過ぎる頃から成貝のグループに融合されていった.ω 指数の結果は,ヘナタリ-ウミニナが各station ともに年間を通してほとんどの月でプラスの値を示したのに対して,ヘナタリ-カワアイ,ウミニナ-カワアイは各station ともに年間を通してほとんどの月で0 に近い値を示した.密度変化の結果は,ヘナタリとカワアイはstation E よりもstation F のほうが密度が高く,ウミニナはstation F よりもstation E のほうが密度が高くなっていた.サイズ頻度分布の季節変化の結果より,各station でのヘナタリは,2–7 月にかけて2 年前に新規加入した個体が成貝へと成長し,9–10 月に成貝が産んだ卵から孵化した稚貝の新規加入がみられることがわかった.また,ω 指数の結果より,ヘナタリ・ウミニナ・カワアイは互いに排他的な傾向はみられず,種間競争は起きていないと考えられる.また,密度変化の結果より,ヘナタリとウミニナとカワアイの分布は重なってはいるが,ヘナタリとカワアイが干潟の下部を好み,ウミニナが干潟の上部を好んで分布していると考えられる.}, pages = {189--199}, title = {鹿児島県喜入町のマングローブ干潟におけるヘナタリCerithidea cingulata (Gmelin, 1791) の生活史とω 指数に基づく種間関係の分析}, volume = {44}, year = {2018} }