@phdthesis{oai:ir.kagoshima-u.ac.jp:00007356, author = {山頭, 亜紀子 and Yamagashira, Akiko}, month = {2016-10-28, 2016-10-28}, note = {学位論文の要旨, 学位論文全文, 野生Setaria 属植物のいもち病菌である、エノコログサとアキノエノコログサいもち病菌(以下, エノコロおよびアキノ菌)の日本産菌株について、分類学的位置付け、集団構造および種子感染による越冬の成否を検討した。また、得られた結果を既報のイネいもち病菌のものと比較し、生態特性の差異を検討した。日本各地で採集されたエノコロおよびアキノ菌計28 菌株について分類学的位置付けをDNA 解析および病原性検定に基づき検討した。β-tublin 遺伝子のPCR-RFLP 分析により、全供試菌株からMagnaporthe oryzae の同定基準とされる切断断片パターンが検出された。また、種々のイネ科植物に対する病原性検定では、両菌はアワいもち病菌と同じくアワにのみ病原性を示した。さらに、各種シングルコピーDNA 配列をプローブとしたRFLP データから構築されたデンドログラム上で、エノコロおよびアキノ菌とアワいもち病菌は単一のサブクラスターをM. oryzae 特異的クラスター中に形成した。これらより、両菌はイネいもち病菌と同一種M. oryzae のSetaria pathotype に属すると考えられた。日本の広域から採集されたエノコロおよびアキノ菌各15 菌株を散在性反復配列MGR586 およびMAGGY をプローブとしたDNA フィンガープリント分析に供試した。DNA フィンガープリントパターンの類縁度が70%以下となる菌株の組み合わせを異なるリネージとしたところ、少なくともエノコロ菌では13、アキノ菌では8 つのリネージが見出された。先に報告された世界各地のイネいもち病菌集団におけるリネージ数は2~10 であり、両菌集団のリネージ構成はイネいもち病菌と比較して複雑であることが示唆された。また、1 ㎡または50 ㎡区画から採集された16 の菌株集団をMGR586-DNA フィンガープリント分析に供試し、両菌の局所集団のリネージ構造を検討した。上記と同様の基準でリネージを識別したところ、ほぼ全集団に2 つ以上のリネージが認められた。よって、両菌集団のリネージ構成は局所においても複雑であると考えられた。2006 年9 月に、佐賀大学実験圃場で育成したエノコログサおよびアキノエノコログサから種子を採集し、同年10 月に佐賀県内3 地点の露地に播種した。また、2007 年7 月に播種した種子に由来する植物体からいもち罹病葉を各地点で採集した。そして、2006 年の採集種子に含まれていた保菌種子および2007 年の罹病葉からいもち病菌株を分離し、MGR586-DNA フィンガープリント分析に供試した。その結果、保菌種子および罹病葉からの分離菌株のほとんどが同一あるいはDNAフィンガープリントパターンが極めて類似したハプロタイプに属していた。したがって、イネいもち病菌では不可能とされてきた野外における越冬が、エノコロおよびアキノ菌では可能であることが示唆された。 連合農学研究科博士論文(農学) ; 学位取得日: 平成21年3月16日}, school = {鹿児島大学}, title = {野生Setaria属植物であるエノコログサおよびアキノエノコログサから分離された日本産いもち病菌の分類学的位置付けおよび生態学的諸性質に関する研究}, year = {}, yomi = {ヤマガシラ, アキコ} }